中国製冷凍ギョーザ中毒事件とは

2007年12月から翌1月にかけて毒物が混入された市販の冷凍餃子を食べ、3家族10人の方が食中毒の被害に見舞われました。 毒物は殺虫剤に用いられる農薬「メタミドホス」や「ジクロルボス」が使われ、警視庁の調べでは製造過程(中国河北省・天洋食品)での混入が高いとされています。

当初、中国公安省は中国国内での混入を否定してきましたが、同様の中毒事件が中国でも起こったことから、それまでの姿勢を一転させます。

事件発覚から約2年後の2010年3月、中国で容疑者の男が拘束され事件は解決の方向には向かっていますが、不可解な内容が多くいまだ真相は解明されたとは言えません。

「冷凍ギョーザ事件」「毒ギョーザ事件」とも呼ばれ、食の安全を脅かしたこの事件を風化させないためにも、事件の経緯や背景、そして矛盾する中国側の発表内容をまとめていきます。

中毒事件の主な経緯

2007年12月28日
千葉県千葉市の家族2人が中国製の冷凍餃子を食べ食中毒の症状を訴え入院。

2008年1月5日
兵庫県高砂市の家族3人が中国製の冷凍餃子を食べ食中毒の症状を訴え入院。

2008年1月22日
千葉県市川市の家族5人が中国製の冷凍餃子を食べ食中毒の症状を訴え入院。

2008年1月30日
千葉、兵庫両県警は餃子とそのパッケージからメタミドホスを検出し、中毒事件として捜査を開始。

現在閉鎖されている天洋食品工場
現在閉鎖されている天洋食品工場(共同)

2008年2月3日
中国政府が専門家チームを日本へ派遣。

2008年2月4日
日本政府が中国へ調査団を派遣。

2008年2月15日
警視庁が、メタミドホスは日本製ではないと断定。

2008年2月21日
警視庁で日本、中国両国の警察当局による初の情報交換会議を行う。日本側では「日本国内で混入の可能性は低い」との見解を表明。(密封されたパッケージから農薬が検出されたことなどが理由)

2008年2月25日
中国北京で日中警察当局の首脳級会議を行い、検定結果などの証拠を交換することを合意。

2008年2月28日
中国公安省が「中国でメタミドホスが混入した可能性は低い」との見解を表明(反論)。

2008年3月13日
千葉・兵庫県警共同捜査本部は、千葉県市川市の家族が食べた餃子の嘔吐物から、極めて高濃度のメタミドホスを検出したと発表。 さらに、残留農薬が否定されるほど高濃度であったことを述べ、メタミドホスは意図的に混入された可能性が高いことを示唆。

2008年5月7日
日中首脳会談で、冷凍ギョーザ事件の捜査協力強化を合意。

CO・OP 手作り餃子 中華deごちそう ひとくち餃子

商品はいずれも天洋食品の工場で製造され、ジェイティフーズが輸入。

事件発覚後ジェイティフーズは、この工場で製造された商品の自主回収を始めた。

問題の餃子は、日本生活共同組合で商品名「CO・OP 手作り餃子」として、イトーヨーカドーで商品名「中華deごちそう ひとくち餃子」として販売されていた。

CO・OP手作り餃子からは、さらに「ジクロルボス」も検出されている。

2008年6月中旬
天洋食品は売れ残った(回収した)大量の冷凍餃子を、地元政府の斡旋で同省内の鉄鋼グループに横流しし、4月から5月の間に新たな中毒事件を引き起こしていたことが判明。

2008年8月5日
中国国内での被害発生情報を日本政府に報告していたことが判明。

2008年8月8日
福田首相(当時)は、中国の胡錦濤国家主席と温家宝首相に早期解決を要望。

2008年8月28日
中国政府がメタミドホスの混入は中国国内での可能性が高いと表明。

2009年1月17日
中国警察当局が天洋食品関係者の聴取を進めていることが判明。

2009年10月10日
日中首脳会談で、日中食品安全推進イニシアチブの新設を合意。

2009年12月17日
中国公安当局が専従捜査班を縮小していることが判明。

2010年1月17日
中国公安当局が専従捜査班を縮小していることが判明。

2010年3月27日
中国警察当局は毒を混入させたとして中国人男性の身柄を拘束。 容疑者は天洋食品の元臨時従業員、呂月庭(36)。 食品工場の賃金や待遇に不満を持ち、その報復として注射器を用いて餃子に毒を混入したと供述。

3月27日現在、容疑者の拘束に至ったものの、まだ多くの疑問が残されています。

  • なぜ、警察当局は多くの証言を得ているとしながらも、ここまで時間がかかったのか?
  • 密閉された袋からも農薬が検出されているのに、はたして注射器が必要だったのか?
  • ジクロルボスの混入はどのように説明するのか?
  • 上記のような疑問点から、共犯者の存在も考えられるが容疑者は掴めているのか?

事件の真相究明には未だ至っていないと言えます。

検出された農薬の特徴
名称メタミドホスジクロルボス
形態無色の結晶無色の液体
においたくあんのような臭い焦げたような臭い
主な用途殺虫剤として野菜,果実,穀類などに使用殺虫剤として野菜,果実などに使用
家庭用に害虫駆除としても用いられる
法規製造・輸入をはじめ使用禁止劇物に指定
中毒症状吐き気、めまい、呼吸混乱倦怠感、意識の混濁

当サイトでは、「食の安全性」も大切にしています。 残念なことですが、この事件が完全に究明され、予防策が確立するまでは中国で製造された餃子は紹介しない方針です。

※ 上記の情報は、読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞、共同通信、生協連、ジェイティーより収集し、私の感想を加えて編集しています。

おいしい餃子の焼き方

冷凍ギョーザ中毒事件