中毒事件はなぜ起きたのか

中国製冷凍ぎょうざ中毒事件が起きてしまった背景には、様々な要因が考えられます。たとえば…

  • 中国人の日本人に対する歴史的な感情によるもの
  • 中国での農薬に関する法的な整備によるもの
  • 低コストを優先してきた日本企業のリスク管理の甘さによるもの

これらの要因をひもとき、事件が二度と繰り返されないようにするにはどうしたら良いのか考えていきます。

中毒事件はすでに起きていた

私はこの事件を聞いて、はじめは歴史的な感情によるものと考えていました。 つまり、日本人への報復かもしれないと考えたのです。

しかし、実際には1997年から2004年にかけて中国国内でもメタミドホスによる中毒事故が654件発生し、210人の方が亡くなっていたと報じられたのです。 餃子などの加工食品以外にも、穀物の残留農薬によるものもあるとのこと。

2008年になって日本での事件をきっかけにするように、中国農業省はメタミドホスの全面禁止を通達することになりましたが、明らかに遅すぎる対応と言わざるをえません。

メタミドホスの販売自体は事件の前から禁止されていたのですが、他の殺虫剤と比べて安く、取り扱いが簡単であったため農村地域や山間部では流通し続けていたそうです。

つまり、中国での法的な整備に問題があったことになります。そして、食物に毒物を意図的に混入するといった非道なことをする人物が出現してしまう環境にも問題があります。 他にもメラミン入り粉ミルク事件では10人以上の幼児が犠牲になっています。 日本でも、食物に針を混入するといった事件が度々報道されますが、このようなモラルハザードは多くの人たちが集まる社会では今後もなくならないのかもしれません。

要因その1:中国では以前から農薬を使った事件があったにもかかわらず、中国政府は対応が遅かった。

これが氷山の一角だったとすると、今後も中国製の食品に対するリスクを警戒する必要があります。

もちろん、加工品に限らず農作物などにも言えることです。 中国国内での農薬については日本からは何もできませんので、「中国製の食品を買わないようにする」ことしか自衛策はありません。

そして、私たち日本側でもこういったリスクに対してもう少し、敏感になる必要があるのではないでしょうか。 「危険なものを輸入しない」という発想と逆に、「安全なものを作る」ということです。

中国製の食品に限らず、米国産牛肉のBSE問題や、遺伝子組み換え作物など、食の安全を脅かすリスクは尽きることがありません。 海外の農作物が全て危険というわけではありませんが、リスクが高かったという事実も見過ごせません。

この背景には日本の食料自給率の低さも、その要因と考えられます。 つまり、海外から安価な農作物を輸入し続けた結果、国内の生産力が低下してしまったのです。

次のグラフは食料自給率の推移を表したものです。(カロリーベース)

日本の食料自給率

安価な農産物の輸入増を背景に低落傾向に歯止めがかからず、2000年以降は40%前後で推移しています。

これは、先進国の中で最も低い値です。

戦後の日本は車や家電を海外に輸出して、替わりに食物を輸入し続けてきましたから、この結果は当然なことかもしれません。

しかし、今まではこれでも良かったのですが、これからは違ってきます。 中国や韓国の工業製品が世界で売れ始めていますから、日本製品のシェアは下がっています。 日本全体で見れば、「売ったお金で、買っていた」のですから、これからは買える量が減ってしまうことになっていきます。

2010年の食料自給率は41%ですが、農林水産省はこの数字を2020年度に50%へ引き上げる目標を設定しました。 簡単ではない目標ですが、農家への農業者戸別所得補償制度など公費を投じていく方針です。 2009年の衆院選で民主党はマニフェストに、この制度を公約としていましたから、多少無理をしてでも成立させてくるのではないでしょうか。

財源が足りないのにどうするんだろう?といった不安もありますが、日本の農業をもっと元気にして欲しいという期待もあります。

要因その2:今まで安易に、海外の安い労働力に頼ってしまい食料自給率を下げてしまった。

農家が安心して農業を営める環境・制度に対して、もっと国も国民も応援してみてはどうでしょうか。

天候や、災害に収穫量が大きく左右されます。農家の高齢化が進む中、若い人が魅力を感じる農業の環境づくりが求められています。

※ 上記の情報は、読売新聞、日本経済新聞より収集し、私の感想を加えて編集しています。

おいしい餃子の焼き方

冷凍ギョーザ中毒事件